第280章

野呂栞が指を鳴らし、「そのとおり。相手は昨夜、明け方に着いた」と言った。

「どこにいるの?」島宮奈々未の胸がざわつく。

天瀬姫奈の危険度は、以前の天瀬姫代をはるかに上回る。

あのとき自分は天瀬姫奈の顔を切り裂いた。――その落とし前を、彼女が放っておくはずがない。

「来たってことしか分からない。どこに潜んでるかは、まだだ」野呂栞が言う。「来た以上、帰れると思うなよ」

「とにかく、天瀬姫奈の潜伏先を早く突き止めて」

「姐さん、そんなに身構えなくても。天瀬姫奈一人でしょ。楽勝だって」野呂栞は本気でそう思っていた。天瀬姫代だって、当時は自分の手で叩き潰したのだ。

「天瀬姫奈は陰で刺して...

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